3月3日、第76回卒業証書授与式を挙行しました。あいにくの雨ではありましたが、76名の3年生が、本校を巣立っていきました。コロナ禍明けに、高校に入学し、3年間意欲的に駆け巡った、本当に仲のよい学年団でした。「式辞」を掲載いたします。
冬の寒さも和らぎ始め、吹く風にも春の気配が感じられる今日この佳き日に、ご来賓、保護者の皆様のご出席を賜り、第76回卒業証書授与式を、盛大に執り行うことができますことを心より感謝申し上げます。
本日、高等学校の全課程修了を認められました76名の生徒のみなさん、御卒業おめでとうございます。そして、今日までお子様の成長を見守り、励まし、支えてこられた保護者の皆様、ご家族の皆様にも心よりお祝いを申し上げます。
この3年間を振り返れば、学年主任の村田先生が大きく舵を取りながら、「最後まであきらめないこと」「仲間を思いやること」を大切にしてきた学年だったと感じます。互いを尊重し、支え合いながら、穏やかな雰囲気の中で学校生活を築いてきました。誰かが困っているときに、そっと手を差し伸べることのできる学年でした。
特に、この一年間、学年で回してきたノート「夢の途中」。3冊目の「足跡」まで、そこには、皆さんが自分自身と向き合った時間が刻まれています。迷い、悩み、喜び、将来への思いなど、飾らない言葉で書かれた一つひとつが、仲間との信頼を深めていきました。自分の気持ちを素直に言葉にすること。そして、それを受け止め合うこと。この経験は、これからの人生でも皆さんを支える力になります。
先日の「先輩を囲んで」や「3年生に聞く」という進路企画では、進路選択に正解はない中で、1年次から興味関心のあることに果敢に挑戦し、行動に移すことで自分のなりたい姿を目標に、受験勉強を頑張ってきた姿を知ることができました。常葉での3年間、ないし6年間での、みなさんの大きな成長に感動しました。
部活動でも、皆さんは後輩たちをよく導いてくれました。努力する姿、仲間を思う姿勢、最後までやり抜く姿。皆さんの背中から、後輩たちは多くのことを学んだと思います。本当に頼もしい三年生でした。
さて、今日三月三日、あいにくの雨になってしまいましたが、東の夜空に、皆既月食が見られるそうです。満月が少しずつ地球の影に入り、ゆっくりと色を変えていく天体の現象です。明るく輝いていた月が、光を失ったように見えながら、やがて赤胴色(しゃくどういろ)と呼ばれる、黒い月となって静かに夜空に浮かびます。月は消えたわけではありません。やがて赤みを帯びた光となって再び姿を現します。見え方が変わっているだけで、そこにあり続けています。
これから皆さんが歩む人生にも、立ち止まる時間や、自信をなくす瞬間があるかもしれません。
思い通りにいかない経験もあるでしょう。けれど、それは終わりではありません。変化の中で、新しい自分に出会う時間なのだと思います。皆既月食の月が再び光を取り戻すように、人は経験を重ねながら、自分らしい輝きを見つけていきます。どうか、失敗を恐れず挑戦してください。うまくいかなかった経験も、遠回りに見える時間も、必ず皆さん自身の力になります。
Make new mistakes! 新しい失敗をしよう!と、皆さんに呼びかけました。これからの人生においても、失敗を恐れずに、まずやってみようという勇気をもって行動にうつしてください。喜びは行動とともにやってくるはずです。
学校は、皆さんが帰ってこられる場所であり続けます。来年度は、常葉創立80周年を迎えます。困ったとき、うれしい報告をしたいとき、ふと立ち寄りたくなったとき、いつでも顔を見せてください。皆さんの「足跡」は、この学校の大切な歴史の一部です。
結びに、3年間あるいは6年間、保護者の皆様からお寄せいただきました、本校の教育活動への温かなご支援・ご協力に、厚く感謝を申し上げます。卒業生の皆さん、これから歩むそれぞれの道を、目標に向かって一歩ずつ、周囲とよい人間関係を築きながら前進してください。これからの未来が皆さんにとって輝かしいものであることを心よりお祈りし、式辞といたします。
令和8年3月3日
常葉大学附属常葉高等学校 校長 木宮 暁子




