校長だより

なぜ学ぶのだろう

3月3日、76期生が卒業していきました。3年部の教員は、ぽっかり穴が開いてしまったようです。  私もそうですが、寂しくなりました。令和7年度ももうすぐ終わります。今年は「校長だより」の更新が滞ってしまいました。来年度はもう少し頻繁に更新していきます。

以下、校誌「とこは」に投稿したものです。私たちは学校に来るのが当たり前と考えますが、その本質を生徒たちに問うたものです。

2学期の終業式に、こんな問いをしました。みなさんは、「何のために学ぶのか」という問いに、どう答えますか。中学3年間、高校3年間は、思っていたほど長くはなく、あっという間に過ぎ去ります。だからこそ、先生方も生徒のみなさんも「何のために学ぶのか」という問いの答えを冬休みに、ぜひ考えてみてください。

3学期の始業式に、私の思いをこんな風に伝えました。

私は3つの理由があると思っています。まず、自分がもつ「手札(てふだ)、カードを増やす」ためにあります。私たちは、生まれながら、みんな同じ「時間」という手札を持っています。成長していくと、「人脈」「お金」「モノ」「情報」「知識」「経験」といった手札が増えていきます。こういう手札をどう生かすかが、「人生ゲーム」そのものです。ゲームと同じで、手元にあるカードが多いほど、そのカードの中身が濃いほど、人生も豊かになっていきます。学び続けることで、たくさんの手札が増えれば、自分の未来の選択肢も広がります。

2つ目に、「困難に負けないための“心の筋肉”を作るためです。学ぶ過程においては、「できない」「失敗した」という経験が必ずついてきます。人生の中で、何か困難にぶつかったときに、こういう失敗が、「自分はここまでがんばった」と思える根っこになります。学ぶということは、単に頭だけでなく、「心を強くするトレーニング」でもあるのです。

そして最後に、「知性はやさしさ」です。「優しさは知性」と言ってもいいです。いろんな学びを通して、他人の気持ちや考え方を理解することができるようになります。学び続けることで、人に「寄り添える優しさを育てる」ことができます。

みなさんが学校で学ぶ意義を、単に「テストでいい点数を取るため」とか「いい大学に入るため」という意識では、これからの時代、生きていけないことは明らかです。これからはAIにはとてもできないような、複雑な問題の解決策を見出すこと、新しい価値を生み出すこと、あなたがもつ人間味が武器になるようなことや誰もやっていないようなことを面白がってやることなど、生きる力やちょっと尖った個性が求められるからです。

人生ゲームの手札(人脈・お金・モノ・情報・知識・経験)をどう増やすかは、人生永遠のテーマですが、「増やしたい」と強く思ってしまう人ほど、自分の手札を守りたくなってしまいます。ところが、こちらが先に与えたり、仲間と共有したりすることで、実は自分の手札が増えていく妙手になることを忘れないでください。

人生100年時代と言われますが、学ぶというのは、「学校」だけで終わるのではありません。一生涯学び続けることで、私たちはよりよい人生を歩んでいけます。私自身も、まだまだ学び続けていきたいと思っています。常葉の建学の精神「より高きを目指して」Learning for Life は、まさにその言葉どおりです。

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