放送による終業式を行いました。話の一部を掲載します。
今日で1学期が終わります。振り返ってみて、みなさんにとって、どんな4か月間だったでしょうか。先週、このはなアリーナで実施した、中高合同の球技大会、楽しかったですね。まだマスクを外せない人もいますが、あんなに大きな声を出したり、あんなに笑ったり、あんなにみんなで盛りあがったりしたことは、久しぶりだったのではないでしょうか。熱中症対策のために、室内で行いましたが、生徒のみなさんと先生方も含めて、学校全体の一体感を感じることができた球技大会でした。その様子は、学校の公式インスタグラムにも掲載されていますから、ぜひ見てください。本校のHPも先日、全面リニューアルしました。みなさんの活躍や学校の様子をどんどん発信していきますから、期待していてください。
さて、今日は、私が先日、経験したことをお話します。
先週のことでした。有料駐車場に止めていた車を出そうとした時に、その前を小学生の男の子2人が、通ろうとしていました。最初は立ち止まって、私の車が通るのをやり過ごそうとしていました。目が合ってどうぞ、と合図をして、2人は走って通っていきました。そのあと、一人の男の子が、身体の向きをこちらに向けて、ありがとう、とおじぎをしてくれました。小学校4年生くらいかと思いますが、びっくりしました。そして、とてもすがすがしい気持ちになりました。だれかに言われたわけでもなく、同い年の友達が横にいても、気負うことも恥ずかしいと思うこともなく、自分が大切だと思うことを自分の判断で、行動に移したわけです。その小学生の一瞬の態度に、学ぶことがありました。
4月に、「自律した生徒の育成」を教育目標に掲げ、みなさんにも話をしました。ぎょうにんべんの「自律」です。自分の意志をもって、自分のものさしで、自分の行動を決定することです。まさに、この小学生は「自律」しているわけです。言われたことだけで動いているのではなく、相手に対する思いやりや想像力があるわけです。もし、私が会社の人事部にいたら、すぐに採用したい人材だなと感じました。おそらく、この男の子は「自己肯定感」が高いんだろうなと思います。「自分軸」を持っているから、まわりの評価に左右されずに、行動できる強さがあるんだと思います。だから、わずか10歳くらいでも、しっかりと自分の意志をもって行動できるんだと思います。
高校3年生にとっては、卒業後の進路を決定しさらに力をつける大切な夏休みを迎えます。もし面接で、「あなたが人と比べて特別なことは何ですか」「あなたの強みは何ですか」と聞かれたら、何と答えますか。自分は何もできない、自分はたいしたことない、なんて自己肯定感の低い人はいませんか。40日間の夏休みは、みなさんが大きく成長できるチャンスでもあります。先生に言われた宿題だけをやる、親に言われた家事だけをやる、失敗が怖いから最初から何も挑戦しない、そういう後ろ向きな姿勢ではなく、自分はこれをやりたい、自分はこれを極めたい、という前に向かう気持ちをもって1日1日を過ごしてください。
今日は、安倍川の花火大会が行われます。今年で71回目だそうです。はじまりは、太平洋戦争で亡くなられた多くの方々の慰霊と日本の復興への祈りを込めて始まったと聞きます。今年もディズニーのドローンショーが見られるとのことで、家族や友達と見物する人も多いかと思います。楽しいことは大いに楽しみ、休むときにはしっかり休む、自分で決めた目標を徹底してやりきる、そんなメリハリのある夏休みにしてください。それでは、明日から始まる夏休みが、皆さんにとって、充実したものになることを祈っています。9月、元気な姿で会いましょう。