校長だより

入学おめでとう!

4月8日に第76回入学式を開きました。お堀の桜も満開で、新入生の入学を歓迎してくれました。いいスタートが切れました。以下、入学式の式辞です。

新緑の木々が色鮮やかに芽吹き、お堀の桜も今を盛りと咲き誇る清々しい季節を迎えました。この佳き日に、御来賓の方々の御臨席を賜り、保護者の皆様の御列席を得て、第76回常葉大学附属常葉中学校・高等学校 入学式を挙行できますことを大変喜ばしく思います。

令和7年度、中学27名 高校86名の新入生をお迎えします。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

今日、この喜びの日を迎え、これまで深い愛情をもって育んで来られました保護者の皆様の、喜びもひとしおのことと推察いたします。お子様の御入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。

本校は、創立79年目を迎え、これまでに2万4,000名余りの卒業生を送り出してきました。常葉大学は、県下最大規模の総合大学に成長しましたが、常葉の始まりは、1946年に開校された、静岡女子高等学院という小さな女学校でした。その女学校こそが、この常葉中学校・高等学校であり、 「常葉」発祥の地にあたります。

本校の教育理念は、「美しい心情をもって人と接し、堅固な意志と健康な体をもって、いかなる苦難にもうち克ち、より高きを目指して学び続ける人間を育成する」とあります。

私は、この常葉中学校・高等学校をはるか昔に卒業した先輩ですが、当時は、努力して大量の知識を詰め込み、指示されたことを忠実にこなし、よい大学、よい会社に入ることが幸せだという価値観でした。

しかし、みなさんがこれから生きていく社会は、新幹線に乗り流れる窓の景色を見るように、とても変化の激しい、正解のない時代です。自ら課題を見つけて、それについて考え、問題解決できる人材が求められます。つまり、既存の常識や前提にとらわれずに、新しいものをゼロから生み出していく力です。みなさんが無人島に行くのに、私たち大人が大量の水や食べ物を与えるのではなく、周囲の環境からどうやったら、飲み水や食料を得られるかというスキルを身につける力です。

本校が目指す生徒像は、「Agencyを意識した、自律した生徒の育成」です。「Agency」とは、適当な日本語訳がないのですが、変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する姿勢です。「自律」とは、自分の意志を持ち、自分のものさしで自分の行動を決めることができるということです。親や先生に言われたことをきちんとやれる素直な姿勢も大切ですが、一歩進んで、少し尖がってもいいので、自分で考え、自分で目標を決め、行動に移せる生徒を育てていきたいと思っています。授業を始めとする、すべての教育活動が、生徒が主体性をもって、当事者意識をもって取り組めるよう支援します。

生徒のみなさん、「学校」は誰のためにあるのでしょうか。学校は、生徒みなさんのためにあります。だからこそ、指示されたことに満足するのではなく、どうしたら自分たちの学校生活が楽しく意義あるものになるのか、常葉の3年間、または6年間で、仲間と協働しながらよりよいものを作っていきましょう。

私たちは、不器用でも、一生懸命にやろうとする人を、応援します。私たちは、失敗を恐れずに、挑戦する人を歓迎します。みなさんにとって、「学校が、驚きや感動、発見に満ちたわくわくする場所」「学校が、あたたかい言葉に満ちた自分らしくいられる場所」そして「学校が、集団の中で、日々充実した学びのある場所」であるように、私たちと一緒に創っていきましょう

最後に、古代中国の「管子」(かんし)という書物に、「一年樹穀(じゅこく)、十年樹木(じゅもく)、百年樹人(じゅにん)」という言葉があります。「穀物を育てるには一年、木は十年間育てれば一人前になります。しかし、人が育つには百年かかる」という意味です。教育は、すぐに正解が現れません。それだけ人を育てるには長い歳月がかかるという意味です。一人ひとりのお子様は、多くの人の手を経て、多くの経験を経て育っていきます。私たちは百年先の未来を思い、人を育てていきます。

保護者の皆様には、常葉中学校・常葉高等学校を選んで、御入学いただきました。これからの3年間あるいは6年間、良いことも大変なこともいろいろあると思いますが、御家庭と手を携えて、大切なお子様の成長を、支えていきます。どうか、本校の教育活動に御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びに、新入生の皆さんとのご縁に感謝しつつ、皆さんの学校生活が実り多きものとなることを祈念し、式辞といたします。

          令和7年4月8日  常葉大学附属常葉中学校・高等学校 校長 木宮暁子

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