高市早苗首相の所信表明演説で、物価高騰対策の中に、「いわゆる高校の無償化・給食の無償化についても、これまで党派を超えて積み重ねてきた議論を踏まえ、制度設計の議論を進め、安定財源の確保とあわせて来年4月から実施します。この機会に財政支援にとどまらず、日本の高校教育の在り方についても見直しを進めます。」との発言がありました。
在校生、新入生のみなさんには、詳細がわかり次第お知らせいたします。
以下は、私が、河合塾「Guideline10/11月号のインタビュー」を受けたものです。ご一読ください。
高校進学率は95%を超え、実質的に義務教育化している高校教育については、高校授業料の無償化は当然の流れでしょう。公立・私立に関わらず授業料を無償にするのは、社会全体で教育を支えるという観点からも妥当でしょう。将来を担う子どもたちに投資するという意味でも、大きな意義があります。私立もようやく公立と同じ土俵に立てたと感じています。ただし、この高校授業料無償化の制度によって私立志望者が急増したり、公立志望者が大幅に減ったりするような劇的な変化が起きるというよりは、保護者や生徒が学校を選ぶ際の選択肢が広がった、という印象を受けます。また、課題もあります。授業料の無償化だけでは、すべての経済的負担が解消されるわけではありません。諸経費や納付金など、家庭が負担し続ける部分も多く、実際に支払いが困難なケースもあります。また、私立が国からの補助を受けることで、公教育の一翼を担う存在としての自覚と責任も一層求められるようになるでしょう。今後の展望として、公立・私立の垣根を越えて、人材の交流や教育活動の連携がもっと増えたらいいのではないかと感じています。たとえば、教員の研修や部活動の協力など、現場同士が補い合える枠組みづくりが期待されると思います。少子化が進み、生徒の学力低下も取り沙汰される中で、公立と私立が競い合うこと自体が目的ではありません。大切なのは、子どもたちが安心して学び、成長できる環境をどう整えるかです。そのために、どこに力を注ぐべきかを、社会全体で真剣に考えていく必要があると思います。
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