常葉大学付属常葉中学校・高等学校

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令和2年度1学期終業式 校長式辞

校長式辞(令和2年度 1学期終業式)

常葉大学附属常葉中学校・高等学校

校長 磯邉 晋一

 1学期の終了にあたり、お話をさせていただきます。

 この1学期は、新型コロナウイルスの影響で、学校はいろいろな意味で大きな打撃を受けたと、つくづく感じます。振り返ってみると、4月上旬の4日間で、始業式、入学式、スタディサポートや春季テスト、身体測定などを行いましたが、4月にできたのはそこまでで、411日からは臨時休校となりました。休校後の416日には全国一斉に緊急事態宣言も出されました。521日からは学校再開となりましたが、40日間というとても長い休校だったため、1学期は多くの行事を中止にせざるをえなくなり、皆さんが楽しみしていた遠足や常葉祭、芸術祭も今年度は実施できませんでした。特に、高校3年生にとっては、高校最後の思い出となるはずの一大イベントだっただけに、このような形になってしまったことを心からお詫びしたいと思います。部活動においても、公式試合やコンクールなどが中止となり、高校3年間頑張ってきた成果を発揮する場もなくなってしまい、とても心が痛みます。

今回の経験から改めて思うことは、学校というのは人との関係の中から学ぶことが多く、行事や部活は一人ひとりの生徒にとってとても大切なものであるのと同時に、人間関係を築き深めるうえで、とても大きな役割を担っているということです。

2学期には大きなイベントとして体育祭が予定されていますが、現時点では何とか工夫して実施しようと進めていますので、実施できた場合はぜひ楽しんでほしいと思います。

 

 さて、始業式の式辞で、「凡事徹底」についてお話ししたことを覚えているでしょうか。

 「凡事徹底」とは「なんでもないような当たり前のことを徹底して行う」という意味で、「まずは、全員で挨拶を徹底していきましょう。お客さんには立ち止まって挨拶してみましょう。」と呼びかけました。挨拶がなぜ大事なのかは、欠かさず続けていけば必ずわかりますが、ある病院の実践でこんな例があります。その病院で働く医師や看護師はあまりに仕事量が多すぎて、目の前の仕事に忙殺されている方が多く、スタッフ間のコミュニケーションがうまく取れていないという状況がありました。スタッフ同士の挨拶はなく、カルテ一つ渡すにも、「持ってくるのが遅い」と小言を言い合っていました。そこで、カルテを渡す時には「お願いします。」「ありがとうございます。」という声掛けを徹底するようにしました。この言葉のキャッチボールを徹底するようになると、不思議と相手に対する感謝が生まれ、関係性が変わっていったそうです。この病院では2年間挨拶を徹底したところ、たったそれだけのことで、スタッフ同士のコミュニケーションが活発になり、協力し合う良いチームになるのと同時に、医療の質が見違えるほど向上したということです。

もう一つご紹介します。これは、出産を機に仕事を辞め、子育てを終えた後、52歳で再就職を決意したある女性の話です。当時は「52歳の女性」というだけでほとんどの企業に門前払いされましたが、ある企業がその女性の人間性を評価し、まずはアルバイトで採用することにしました。この方は、たとえ時給1300円のアルバイトであったとしても、自分にできる事を精一杯やろうと決意しました。例えば、コピーをとってホチキス止めをする仕事を依頼された時は、いかに綺麗に早く仕上げられるかを心掛けました。お茶を出す際には、ひとり一人の好みの温度や濃さを覚えておき、その人の好みに合ったお茶を出すように心掛けました。すると、雑用以外の仕事も回してもらえるようになり、いただいた仕事に精一杯取り組む中で高い評価を受け、なんと一年で正社員として採用されました。彼女はアルバイトで入ったにもかかわらず、現在では、その企業の役職に大抜擢されているそうです。

 大事なのは、一つのことを徹底して「心を込めて」行うということです。難しいことをしようとするのではなく、まずは身近なところで「自分もこれならできる」というものを決め、そのことに対して一所懸命にやる。それを休まずに続けていけば、人生は良い方向に変わっていきます。凡事に徹し、持続すれば、『平凡は非凡になる』-このことを肝に銘じてください。

 

 最後に、明日からの夏休みは、例年より短い13日間となりましたが、次のことに注意して、ぜひ有意義に過ごしてください。

まず、感染症対策です。新型コロナウイルス感染は静岡県内を含む多くの地域で拡大しています。このウイルスは重症化すると薬も効かず、完治するのに3か月ほどかかるとも言われています。夏休み中もマスクの着用や手洗い、手指消毒、3密を避けるなどの対策を万全にして、感染が拡大している地域への移動はできるだけ避けるようにしてください。

 また、今年の夏はとても暑くなると予想されています。のどが渇いていなくてもこまめに水分補給をするようにして、熱中症にも警戒していきましょう。

 体に免疫力を付けるうえで大切なことは、規則正しい生活とバランスのとれた食事です。今年の夏は、ウイルスと熱中症に打ち勝つ強い体を維持するために、いつも以上に気をつけて生活するようにしてください。

 それでは、821日の2学期始業式に元気な皆さんと会えることを楽しみにしています。

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